「〈叱る依存〉がとまらない」という本を読んでいます。
みんなのオンライン職員室の『学び合い』の会の課題図書だったのですが、すっかり読むのを忘れていて先日から読み始めました。
今度もう一回この本の読書会があるので、そこまでにある程度自分が読みたいところは読んでおきたいと思っています。
読もうと思った理由・目的は
・考え方を尊敬している方がおすすめした本だから。
・教育のために叱るという手段をとるのが好きではないので、なぜ叱るを良くないと思っているのかを理論的に説明できるようになりいと思ったから。
の二つです。
今日はPart4まであるうちのPart1まで読み切ってまとめたので、それをアウトプットします。
〈はじめに〉
必要なのは「叱る」を否定するのでも礼賛するのでもなく、「叱る」とうまく付き合うこと。
〈おわりに〉
叱るから自由になり、叱るを手放していける。そのために支え合って努力していける。そんな未来、社会になるといい。
〈Part1 叱るとはなにか〉
①なぜ人は叱るのか?
(叱る理由)
・「きちんと叱りなさい」と周囲から叱ることを求められることもある。教師のような職業や上司の場合叱ることで指導力が認められるケースもある。
・これは「叱る」ことの「学びや成長」への効果が過大評価されていることが原因
(叱るの本質)
・叱ることの本質は他人に、望む方向へ変わってほしいと思う願い。それは権力のある側から内側に行なわれる行為
・「叱る」は受け手に恐怖や不安などのネガティブな感情を与える。その点で言えば怒るも叱るも罰も同じ。
②叱るの科学ー内側のメカニズムに目を向ける
(叱ると相手の脳内で何が起こるのか)
・恐怖、不安、苦痛、嫌悪などのネガティブ感情は「戦うか逃げるか」の反応を引き起こす(防衛システム)。「学びや成長」を支えるメカニズムではない。
・学びをもたらすのは報酬への期待(冒険システム)
・「苦痛の回避」「悪い人に罰を与える」も報酬になる。「苦痛の回避」は受け手がやってる。「罰を与える」は叱る側が感じている。これは叱る依存に繋がる。
(叱るの効果と限界)
・叱るの効果は危機介入と抑止力の2つ。危機介入は命の危険がある時や人に危害が及ぶときには効果的。抑止力は実際に叱られることによってではなく、事前に予告されることによって働く。
・「叱る」に「学びの促進効果」はない。そこに叱るの限界がある。それなのに叱ることが効果的だと誤解されるのは、相手の行動を変える即効性があり、叱る側には「逃げた」相手が「学んだ」ように見えるから。第三者にも「学んだ」ように見えるから。しかし、苦痛からの回避は叱る側が期待しているような本当の学びにはなっていない。
ここまででも非常に面白く読んでいます。叱る場面にたくさん出会う(特に叱る側に回りがち)教師は読んでおいて損は無い本だと思います。同じように叱る場面が多いであろう子育てをする保護者や、上司をしている人、後輩がいる人にもオススメです。
この後、この本の主な主張である叱る依存について出てくると思うので、楽しんで学びたいと思います。
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