今日、所用で前任校に伺う機会がありました。
嫁様の知り合いの先生もいらっしゃったので二人で伺って、育休明けの先輩ママ教師の方と少しお話をさせてもらいました。
結論として、「想像しているより思い通りにならないこともあって大変そうだから、覚悟を決めて頑張らないと」という気持ちが強まって非常に良い時間をいただきました。
学んだこと、考えたことを残しておきます。
「心境の変化」
先輩の先生方の言葉で印象的だったのは「教師としての自分には代わりはいるけど、親としての自分の代わりをできる人はいない。もう少し子供との時間を大事にしたいと思っている。」という言葉です。その先生は、私の目から見たら出産前はかなり部活動の指導も熱心にしておられ、そのために自分の時間も使っていた方でした。子供ができることでこんなにも心境の変化があるものなのかと思いました。今は部活動の顧問は副顧問ですし、そもそも部分休を取っておられて15時に帰るのでほとんど参加できていないようです。
「部分休の利用」
部分休という制度があります。仕事の開始や終了の時刻を2時間までの間で短くさせてもらえるそうです。その分お給料が当然減りますが。
先輩先生はこれを終了時間を1時間半早める形で利用しておられました。私たちも場合によっては利用しようと考えています。アドバイスとして、「思っているより大変だからお金のこともあるけど2時間とったほうが良いと思った。」ということでした。
「仕事の量があまり配慮されない可能性あること」
その先生は部分休を取っているので、15時までしか働けません。お子さんは7時から保育園に預けているそうです。(朝の保育園の送迎は旦那さんがやってくれています。)
そのような状況なのですが以下のような大変さがあります。
・持っている授業数が23コマ。15時に帰るなら6限は持てないので、週に25コマあるうちの23コマなので、空き時間が週で2コマしかありません。これでは仕事が教材研究、授業準備だけだったとしても足りないくらいです。
・委員会の担当に入っているそうです。委員会は放課後に行われるので、15時には帰る先生では実質担当できないはずなのですが…。詳しく聞けませんでしたがどうやって乗り越えているのでしょう。
・7時半からの玄関指導。これがあるために保育園は7時から預かってもらっているとおっしゃっていました。
・副顧問とはいえ部活動の担当。部活動の活動時間は放課後なので、部分休を取得している教師ではどう考えても持てないはずなのですが…。
現実はかなり厳しいようです。
私はこの辺のことにアンテナを張って、多少人に嫌われても法を味方につけて主張するタイプです。だから勤務時間前の玄関指導は断るし、部活動の顧問も委員会の指導も断ると思います。ただ、授業の持ち時数はどうにもなりませんし、それ以外の校務分掌や学年分掌も配慮されてれば良いですが、配慮が足りなければ個人が負担を負うしかなくなってしまいます。
やはり余白が必要
今回の話を聞いて、今までよりもさらに「学校の仕事にはもっと余白が必要だ」と思いました。今は職員である教師のほとんどが健常で、育児や介護もなく、フルに働けることが前提で役割分担されていると思います。それでも忙しいくらいです。
しかし、多様な人が多様な働き方を選べる職場環境にしたいと思ったとき、これでは実現できません。一人二人人員が欠けただけで誰かが過剰な無理をしなければ回らなくなってしまいます。育児も介護も必要ですし、学校現場では誰かが残念ながら体や心の病で倒れることもあれば、緊急で対応しなければならないケースが出るということもあります。それに無理なく持続的に対応できるようにするためにはもっと余白が必要です。
具体的には「部活動や委員会は必ず複数の教師で担当できる数に絞ってそれ以外はなくす」、「校務分掌や学年分掌も勤務時間内でおさまる内容にすることはもちろんのこと、学年で1〜2名欠けても回るくらいの余裕のある内容にする」などが必要になります。それで回る学校運営が必要です。
私は学校に大きな変化を与えられるような立場にはありませんが、自分なりの立場として、
・こうやって発信活動を続ける
・学年会や職員会議の場で無理のある計画でないか、誰かが泣かなければ回らない計画でないか、勤務時間を超えることが前提となってないか、持続可能な内容か、などの視点を持って意見を出す
ということはできるはずです。
今回このような気持ちが強くなったので、もっとそれを現場の行動に移していこうと思います。