非常に面白い本でした。
時間管理の実践的なテクニックが載っているというよりは、もっと概念的で哲学書に近い感じです。
イントロダクションとエピローグを読むだけでも結構この本の感じはつかめると思うのでそこともくじを読んでみて興味があったら読んでみるといいと思います。
雑記ですが、自分のためにも刺さったところを書き出しておきます。
・時間管理にしがみつくのは限りある全ては実現できない人生という現実からの逃避が根幹にある。それならその現実を直視し受け入れた方がいい。
・限界を受け入れるというのは「何もかもはできない」ことを認めること
全部できるという幻想を手放し、一握りの重要なことだけに集中すること。(大好きなエッセンシャル思考にも通ずる。)
全てを効率的にやろうとするのではなく、「全てをやろうとする誘惑」に打ち勝つこと。
・タスクを上手に減らす3つの原則。
1、自分の取り分を確保する。(お金の先取り貯蓄の考え方を時間にも転用)
2、進行中の仕事を3つまで制限する。
3、優先度中を捨てる。難しいのはそれなりに魅力的なやりたいことにノーということ。(これこそエッセンシャル思考やミニマリスト思考。)
・完璧なんてものはない。目指すレベルに到達しないのではないかという心配もいらない。肩の力を抜いて始めてみればいい。
何かを失うのは当然。だから心配せず手放せばよい。
・未来をコントロールしようとしたい執着を手放す。
今この瞬間を大事にしようという努力は時間を未来のための道具にする態度と逆のようで同じ。結局どちらも時間を最大限に活用しようという発想。
今を生きるための最善のアプローチは、今に集中しようとすることではなく、「自分は今ここにいる」という事実に気づくこと。
・余暇を無駄に過ごすことこそ、余暇を無駄にしないための唯一の方法。
・なんのためでもない趣味が良い。散歩はやはりいい。ただそれを楽しむために歩く。
・時間に抗うのをやめて深い自由を得るための方法は忍耐と人付き合い。
忙しさのへの依存を手放して、不快や痛みに耐える忍耐を身につける。
「わからないという不快感に耐えれば、解決策が見えてくる。」
忍耐を身につける3つのルール。
1、問題がある状態を楽しむ。
2、小さな行動を着実に繰り返す。
3、オリジナルは模倣から生まれる。
時間は自分のものになりすぎないくらいがちょうどいい。
・人生はリハーサルではない。たとえ経験や自身がなくても、やるのを諦める理由はどこにもない。
もしも「結果を知りようがない」という事実を受け入れたなら、今日できる重要なことは、一体なんだろう。遠い未来の誰かのために、世界を少しでも心地よい場所にするために、自分に何ができるだろう。(もしも行動の結果を気にしなくて良かったら、どんなふうに日々を過ごしたいか。)
いい言葉だ。『学び合い』をするときの勇気づけになる。
・希望などいらない。やることをやるだけだ。希望を捨てた時、あなたは自分の力で歩み出すことができる。この不愉快な現実は、しかし、自由への一歩だ。幻想にしがみつくことをやめて、現実をしっかりと見つめたとき、そこに現れるのは無力さではなくあふれんばかりの活力だ。
なんでこんなに前向きでいられるんだろう。
・むしろ安心してほしい。到達不可能な理想を、ようやく捨てることができたのだから。
この感覚は『学び合い』のときに近い。一斉指導を頑張りつつも限界を感じていたときに『学び合い』に出会ったとき、この感覚になった。
「そんなことできっこないじゃん!」がわかってからこそ「できることを誠実にやる」という方向に向かっていけている。
・有限性を受けれ入れるための10のツール
①やることリストに入れて良いのは10個まで。働く時間の固定。
②先延ばしに耐える。一度に取り組むのは一つまで。
③失敗すべきことを決める
④やったことリストでできたことを意識する。これはまさにやってるね。
⑤注意の対象を絞り込む
⑥退屈で機能の少ないデバイスを使う。
⑦ありふれたものに新しさを見出す。瞑想。散歩。子供と遊ぶ。
⑧人間関係に好奇心を取り入れる。
⑨親切の反射神経を身につける。
⑩何もしない練習をする。何もしない瞑想5〜10分
雑記でしたが、実践的なテクニックよりも哲学的と冒頭で書いたのがなんとなくわかっていただけたんじゃないでしょうか。
私はとてもおもしろかったので、ぜひ本書を読んで見てほしいです。