昨日からマスカレードナイトを読み始めています。普段からアンテナを張ってるおかげで、こんなところでも面白そうな話を見つけました。
これからの社会でAIに奪われる職業、奪われない職業、新たに生まれる職業について書かれた本などはよくありますが、「ホテルのコンシェルジュ」が奪われない職業に当てはまりそうだなと思ったという話です。
最近よんだ「学歴の経済学」や「society5.0の進路指導」にも書いてありましたが、A Iに奪われにくい職業というのは「多くの人に当てはまるサービスや商品を安価で早く届ける」というよりも「ニッチで特殊な個々人がもつ要求に応えられるような商品やサービスを届ける」ような職業です。そういうものにはビッグデータが活用しづらく、AIに代替されにくいという事です。詳しくはぜひ本を読んでみてください。
そこで、ホテルのコンシェルジュという職業はどういう仕事なのかという事ですが、簡単にいうとホテルのお客様にサービスを提供する便利屋さんです。お客様のニッチで特殊な要求を聞き、言葉通りではなく要求の本質を捉え、要求に応えたり代案を立てたり相手の想像を超えるようなサービスを提供するとても難しいお仕事です。
本の中にこのように書かれていました。
「コンシェルジュを魔法使いか何かと勘違いしているのではないかと思うような要求をしてくるお客様もいる。しかしコンシェルジュは絶対に「できません」とは言ってはならず、お客様の要求に何かしらの形で応えなければならない。なぜなら、単に料理が美味しい店、低価格の店ということなら、いまの時代スマートフォンがあれば簡単に調べられる。わざわざコンシェルジュ・デスクに来るからには、それなりの理由があって当然なのだ。」
実際に本で出てきたニッチな要求として、小さい子が騒いでも大丈な店、自分の席で喫煙可能な店、個室でアルコールが飲み放題で1万円以下の店、くさやと鮒寿司両方食べられる店、などがありました。
特にくさやと鮒寿司という全然違う地方の料理を同時に食べられる店がないかと要求された時のコンシェルジュの対応は秀逸です。ぜひ読んでいただきたい。
ビッグデータに頼れないニッチな要求に応えなければいけない点や、言葉通りの要求には応えられなかったとしても、言葉の真意を読み取って代案でお客様の期待に応える点なんかが、これはAIにはできない仕事だし、こういう職業・人はAIに負けずにAIとともに生きていけるんだろうなと思いました。非常に勉強になりました。