丹後先生の生き様公開と仲間づくりのためのブログ

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読書記録「サイコロジー・オブ・マネー」

お金に関する学習として、

サイコロジー・オブ・マネー――一生お金に困らない「富」のマインドセット

を読みました。

 

本屋さんで平積みになっていたのと、洋書の翻訳書を読むようにしたいと思っていたので手に取りました。

 

サイコロジー・オブ・マネー」=「お金の心理学」

というタイトルにあるとおり、お金について人が選択をするときの様々な心理現象について取り上げられています。

 

読むのがおすすめの人は

・お金に関して人が行動を選択するときの心の動きに興味がある人

・お金の不安を減らし、「夜、安心して眠れる」ようになりたい人

・長期分散投資理論武装をしたい人

 

本書は20章構成で、伝えたいことに対して具体例が多く、悪く言えば話が長いです。

「ここさえ読めば概要はわかるじゃん!」という部分があるので、読み方のおすすめとしては、

目次→はじめに→役者あとがき→19章(まとめ)→20章(著者の実践)

の順で読めばいいと思います。

 

より具体的な根拠を知りたいとか、深く学びたい、納得感を得たいという人はその後に1章から読んでいけばいいです。

 

なぜ「サイコロジー・オブ・マネー(お金の心理学)」なのか(はじめに)

 

経済的成功の鍵はお金について何を知っているかよりも、実際にどう振る舞うかが重要。(知識<行動)

 

知っていることと、実際に賢い行動が取れるかは別物。

 

お金との賢い付き合い方は人間心理から学べる。

 

さぁ「サイコロジー・オブ・マネー(お金の心理学)」について学んでいこう。

 

 

概要(訳者あとがき)


お金の問題に悩まされることなく生きていく方法は

「時間を味方につけ、忍耐強く長期的な視点で投資をし、変化に柔軟に対応できるように備えておくことであり、人生をコントロールできるようにするための『経済的自立』を得ること。」

 

人は高価なものに囲まれるだけでは幸せになれない。真に豊かな人生をもたらしてくれるのは自分の思い通りに毎日を過ごせること。お金をはそれを実現する大切な道具である。

 

 

まとめ(19章)

 

・物事が上手くいっている時には慎重に。上手くいかない時には寛容に。(2章)

成功と失敗には運とリスクが大きく影響している。だから何事も見かけほど良くも悪くもない。

 

・エゴを減らせば豊かになれる。(3章)

足るを知る。「これで十分だ。」という感覚を持つ。

 

・「夜、安心して眠れること」を優先してお金を管理すべし。(11章)

合理的>数理的。私が本書の中で最も刺さった部分。理論的な最善よりも、自分の心が安心することを優先して行動を選択すればいい。

 

・投資で結果を出すための最大の秘訣は時間軸を長くすること。(4章、5章)

何かが複利的に作用すれば小さな変化が常識的には考えられないほど驚異的な変化をもたらすことがある。複利を利用して黙ってじっと待て。

裕福さを保つ方法はただ一つ、倹約と心配性の組み合わせ。お金を得ることと維持することは別物。「お金で成功するために必要なこと」を一言で言えば「サバイバル」。

 

・上手くいかないことがあっても問題ないと考える。半分は間違っていても資産は増やせる。(大事なのは株を保有し市場に居続けてテールイベントを逃さないこと。)(6章)

 

・自分の時間をコントロールするためにお金を貯め、使う。(7章)

 

・他人に富を見せびらかさず誠実に人と接しよう。(8、9章)

 

・貯金をする、ただ貯金をする、貯めるのに特別な理由は必要ない。(10章)

目的のない貯金が最大の価値を生む。貯蓄は予期せぬリスクに対する備え。選択肢と柔軟性(心の安心)が手に入る。

 

・成功のために必要な代償を見極め、それを支払う準備をする。(15章)

投資で成功するには代償が必要。投資の代償は価格変動リスク、恐怖、疑念、不確実性、後悔などに耐えること。投資の代償は罰金ではなく入場料だと考える。

 

・「誤りの余地」を何よりも大切にする。(12、13章)

これもお気に入り。私も心配性なので、バッファや余白の考え方をお金や時間で持つようにしています。

お金に関する賢明な行動モデルは「誤りの余地を残しておく」こと。

余裕のある計画。失敗してもまた挑戦できる余地を残しておく。誤りの余地があるからこそサバイバルできる。特に価格変動リスクと老後資金に対しては。

95%勝てる勝負でも5%の負けが致命的なダメージになるのならそのリスクはとってはいけない。

 

・極端な経済的な判断は避ける。(14章)

人の考え方は変わるものだから、バランスを取ることが大事。FIREなども慎重に。

 

・リスクをすきになること。リスクは時間の経過とともに利益をうむ。(17章)

楽観主義を信じることが最善策になることは多い。楽観主義とは「たとえ途中で挫折があっても、長期的に見れば良い結果が得られる確率が高いと信じること。」

 

・自分がしているゲームを明確にする。(16、18章)

(長期分散投資をしようとしている人が短期で利益をあげようと考えている人のアドバイスを聞いてはいけない。)

 

・多様な意見を認める。(それぞれの体験に基づいた異なるレンズを通して世界を見ている。生まれた時代、経験、保有資産、目的、投資する時間軸などによって正解は変わってくる。自分にとって有効な答えがあるだけ。)(1、18章)

これも不安を大きく取り除いてくれる考え方です。

 

著者の実践(20章)

 

・著者のお金に対する最大の目標は「経済的自立」

「夜、安心して眠れる」こと。毎朝「今日も家族と私は自分の好きなことを好きなようにできる。」と実感しながら目覚めること。それが大事。

高収入は必要ない、贅沢をせず身の丈にあった生活をする。

 

・経済的自立に何より重要なのは貯蓄。

欲望という名のゴールポストを固定する。収入増加に伴って生活水準を上げない。

散歩や読書で幸せを感じる。真の成功とはラットレースから抜け出して心の平穏のために生きること。

 

・心の安穏が最優先(合理的>数理的)

ローンを組まずに家を買ったり、一般的なすすめよりも高い現金保有率など、リスク許容度は低め。心の安穏とサバイバルのため。

低コストのインデックスファンドだけを保有

頼りにしているのは「高い貯蓄率」「忍耐力」「世界経済は今後数十年は成長し続けるという楽観主義」。

 



 

おわりに

 

私は

・自分にとっての有効な答えがあるだけ

・理論的な正しさよりも自分の心の安心を優先していい

・市場で生き残るために誤りの余地が大事

の3点が特に自分の心を安心させてくれました。

 

著者のリスク許容度の低さにも表れていますが、

お金で成功するためには知識の正しさよりも、

自分にとって不安のない状態をいかにつくるかによって自分にとっての正しい行動を選べる

ことの方が大切です。

 

結構厚めの本なので、私の要約や読み方を参考にして、皆さんにとって役に立つ考え方が一つでも身につけばいいんだと思います。

おすすめの本なのでお金についての勉強をしている方はぜひ!