最近ハマっているちきりんさんの本の紹介です。
今回は「マーケット感覚を身につけよう」を読みました。
以前に読んだ「未来の働き方を考えよう」で、市場性の高い環境に身を置くのがいいという話が出てきました。
しかし、公教育に携わっている私は意識しなければこの市場性という奴が最も低いところで生活していることになります。
でも、世に出ていく生徒たちは私より市場性の高い環境で生きていくことになる。
であるならば、なるべく私も市場が高い環境に必要なものを学んでおこうと思い読み始めました。
「目次」
今回も
・本のテーマ
・おすすめの人
・本の構成
・私の備忘録
このような順でアウトプットしてみよと思います。
「本のテーマ」
本書のテーマはタイトルにある通り「マーケット感覚」なるものを全ての人が身につければ個人も社会も豊かになっていくよ、というものです。社会が市場化しゲームのルールチェンジが起こる中、市場に近い人も、遠くて一見関係なさそうな人も、マーケット感覚がなぜ必要か前半で説明されます。そして、後半ではその身につけ方が5つ紹介されます。
「おすすめの人」
・市場やマーケットや価値という言葉に関係がありそうな人や興味がある人
・これからの社会がどのように変化していくかに興味がある人
・それを知っておくべき教師や保護者や子どもたち(若い人たち)
「本の構成」
序章 著者が前著で紹介した論理思考と合わせて身につけておくべきマーケット感覚というものがある。
1章 市場と価値とマーケット感覚という言葉の関係性。用語の概要解説。
2章 社会が市場化という変化をしていく。それに合わせてゲームのルール変わるから、対応するためにマーケット感覚が不可欠だよ。
3章 マーケット感覚を身につけるとこんな風に世界の見え方が変わるよ。見え方が変わるととるべき行動や生き方も変わってくる。
4章 マーケット感覚の本質である価値について深掘り
5章 マーケット感覚を鍛える5つの方法を紹介。
終章 変わらなければ替わられてしまう。変化を恐れず楽しもう。
大体各章でこんなことが書かれています。個人的に面白かったのは以下の章です。
・社会の変化について書いた2章
・価値を見極めることができれば誰でも自分なりの豊かさが手に入れやすくなったことを説明してくれた4章(「富の未来」的な内容です)
・そして多くの人にとっては一番大事になるであろう、実際にアーケット感覚を鍛える方法を紹介した5章
・変わる必要性や保護者が我が子に何を伝えればよいか書かれた終章
「私の備忘録」
ここからは私の備忘録になります。
〈序章〜1章 マーケット感覚とは〉
マーケット感覚とは、論理思考と合わせて身につけておきたい考え方であり、「売れるものに気が付く能力」「価値を認識する能力」と理解するとわかりやすい。
市場ではモノが取引されているわけではなく、「価値」が取引されているので、その価値が何なのかに気づけることが大切。
〈2章 社会の市場化〉
これまでは就職や婚活など様々な場面で相対取引が多かったが、あらゆる場面で市場取引に変わってきている。これが社会の市場化と呼ばれる大きな変化で、それによりゲームのルールが変わる。
一つは社会の市場化により色々なものの序列が再構築されたり、市場が統合されていくことにより、市場の動向を見極める必要が出てくる。
(ex)飲食店でも自動車会社でも、ある地域のや日本の順位を意識するだけでなく、より広い地域や世界での順位を意識しなければならなくなる。
もう一つは需給バランスによってモノや人の価値が変化することにより需給バランスを見極める必要が出てくる。
(ex)良い商品だから売れるのではなく、需要に対して供給が少ない商品が売れる。医者や弁護士が資格が難関だから求められるわけではなく、需給バランスによっては折角難関資格を取ったり知っても職に困ることもある。
この二つを見極めるのにマーケット感覚が必要。もちろん、これからの自分のキャリアや人生を考えていく上でもマーケット感覚が不可欠になってくる。
〈3章 マーケット感覚で世界の見え方が変わる〉
・これからは英語の時代なのか?→需給バランスや市場の統合を考えるとそうとも言えない。
・「何を買おうかな」以前に貯蓄か消費かのレイヤーで既に顧客の取り合いは起こっている。これに気づけないことは弱点になる。市場の入れ子構造を意識する必要性。
・若くて見た目もいいが収入の低い男性はどのような婚活が成果が出やすいのか。(どこで自分を売り込めばいいのか。)自分の価値を求めてくれている人がいる市場でないと成果が出ない。市場の見極めと選択の重要性。
・寄付や私的援助にはマーケット感覚は必要ないのか?マーケット感覚を持ってないと、本当に困っている人に寄付ができるとは限らない。寄付する側にもマーケット感覚は必要。
〈4章 マーケット感覚の本質である価値について〉
価値を見極め潜在的な価値を見出し、非伝統的な価値の市場を作り出すことで、個人も世の中も豊かになれる。「富の未来」のような内容。富や価値に気づき、市場を創造する力が重要。
非伝統的な価値の例として、感動、話し相手、選んでもらう、など。
非伝統的な価値の市場では普通の人が価値の供給者になれる。世の中で最も多いのは普通の人だから、カリスマよりも需要がある。
マーケット感覚を身につけ、価値に気づき、市場の創造できれば、個人も世の中もどんどん豊かになる。
〈5章 マーケット感覚を鍛える5つの方法〉
①プライシング能力を身に付ける
既に値札がつき売られているものについても自分の基準に基づき値付けしてみる。自分の価値基準がわかるようになるし、値札のないものでも自分の基準で価値を見つける能力が鍛えられていく。
②インセンティブシステム(人が何か特定の言動をとったとき、その背景にある要因や、その要因が言動につながるまでの仕組み)を理解する
市場の需要者や供給が何に基づき、次にどんな行動をとるか推測し予測する力に繋がる。
自分の欲望と素直に向き合うと、他者の欲望や人間全体のインセンティブシステムについても理解が進む。
規制や罰則で問題解決しようとするのではなく、インセンティブシステムを活用した問題解決を考える。これは学校現場でできてないことだと思うので、自分も、生徒に考えさせるときにも意識したい。
③市場に評価される方法を学ぶ
組織による評価は決定権者に気に入られるのが大事。市場による評価は不特定多数の人のニーズを探る必要がある。
組織での意思決定は「決めてから→やる」、市場での意思決定は「やってみてから→決める」
評価や意思決定プロセスにおける組織と市場の違いを理解し、市場型のアプローチに慣れていくことが大事。
④失敗と成功の関係を理解する
何かにチャレンジするとき、結果が失敗と成功に別れるのではなく、失敗に始まり、少しずつ成功に近づいていくもの。失敗しながら学び、失敗の先に成功があることを理解する。
学びの方法には次の二つがある。
組織からの学び「正しい方法を習い、反復練習で覚える」
市場からの学び「やってみて、失敗し、その失敗や経験から学ぶ」
意識的に市場からの学びを取り入れていく。
⑤市場性の高い環境に身を置く
環境には固有の「市場性レベル」があることを理解し、意識的に市場性の高い環境を選ぶ。
市場性の高い場所とは、需要者と供給者が価値を交換する現場や、人間のインセンティブシステムが直接的に働く場所、組織的な意思決定ではなく、市場的な意思決定方法が採用されている環境のこと。
学校は市場性の低い環境になるので、私は意識的に市場性の少しでも高い環境に身を置いてみる必要がある。
ブログ、ツイッター、インスタグラムなどはSNSの中でも市場性が高めなので、発信活動を続けることに加えて、マーケット感覚を身につける視点も持ってやっていくと良さそう。
〈終章 変わらなければ替わられる。変化を楽しもう。〉
社会の市場化のような変化に対して、変わることを恐れ、拒否する人もいる。しかし、歴史を見ても変化こそが豊かな社会を作ってきたし、何より問題なのは、変わらなければ替わられてしまうということが起こること。
市場が規制を変えていく。結局人は便利でよいものを選んでいくので、規制で抑え込もうとすることには無理がある。
公務員のように守られているものほど、大きな変化を起こせる可能性が高いので変化に狙い撃ちされることもある。つまり守られてて安定していると思われてるものほど危ない。全ての人にマーケット感覚が必要。教育分野にはまさにこれが言える。
学歴の効用も確かなものではなくなってきているので、親は子に変化は恐れるものではなく楽しむものだということを身をもって教えるといい。
新しい視点をもらえたり、公教育に携わる身として耳が痛くなるような内容がたくさんだったのでとても学びになりました。長くなってしまった。
生徒たちにもなるべくこういうことを伝えていければと思っています。
とてもおすすめです。
マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法
#マーケット感覚を身につけよう
#ちきりん
#読書記録