〈生徒の力を測るテスト〉
先日、3学期の期末テストが終わったのですが、今回も改めてテストづくりに関して考えさせられました。
・作成時期について
・テストの内容について
の二つについて課題を感じ、生徒には申し訳なさも感じてしまう日々です。
一つは昨日発信したテストの作成時期と点検についてです。
やはり作成が遅れるのは良くない。
点検がちゃんとできないので図の粗さや模範解答の間違いなどに事前に気づけません。そのしわ寄せは生徒の解きづらさや採点時間が延びることにつながります。
作るのがギリギリになって一緒に学年を持っている教師間での「これは授業でも押さえておきましょう」という共通理解が図れないとクラスによる不公平感も出てきてしまいます。生徒が持っているワークやプリントや教科書をベースに作ればそんなことにもならないはずなんですが。
もう一つ考えたのはテストの内容についてです。
私は定期テストと実力テストを次のように捉えています。
・定期テストは一定期間に行った学習の定着度を測るもの
・実力テストは入試の対策や志望校判断の材料として利用するもの
そのため、実力テストでは授業で学んだことを活用すれば解けるような初見の問題で入試に出てくる可能性のあるものの割合を高めにしてもいいと思っているのですが、
定期テストでは基本的には生徒が持っているものや授業で扱った内容から出題する割合を高くするべきだと考えています。
根拠としてある考え方は
・『学び合い』で出てくる目標と授業と評価は一対一対応させる。
・「なぜ、理科は難しいと言われるのか?」で紹介されている認知スタイルや文脈依存性。
があります。
授業をするにあたって目標があり、その目標の達成のために授業(生徒にとっては学習)をし、それが達成できたかどうかをテストで測っているはずです。だとするとこの三つは本来完全に一致していなければいけません。そのため『学び合い』では最初に目標を見極め、そこからテストを作り、それを課題として授業をしていくという方法も紹介されています。
目標を持って行った授業でやってきたことができたかを測るのが定期テストだとするならテストの内容は授業でやってきたことから出さないといけないのです。
また、認知スタイルや文脈依存性の考え方を取り入れると、「生徒がやってきた教材と見た目を変えるだけで、内容の理解に関わらず生徒が解けなくなるということが起こる。」ということを知ります。そのため私はなるべくワークや教科書やプリントの図を使い、数字や聞き方を変えるくらいのアレンジにとどめることが多いです。
心ある優しい先生が、入試にも対応できる力をつけて欲しいからと入試に出そうな問題を入れれば入れるほど、定期テストで測りたい力は測りにくくなってしまうのです。
入試への対応力をつけさせたいのであれば、それはそれで問題演習や解説の時間を取ればいいのではないでしょうか。定期テストであまりにそれをしてしまうのは生徒にとって「努力してきたことが測れない、報われないテスト」になってしまって可哀想だと思ってしまいます。
そんな考えもあり、早めにテストが点検に回されれば問題の差し替えをお願いすることもあります。先生方も優しさからやってるのでなかなか難しいのですが。
みなさんはどんな考えのもとテストを作っているでしょうか?他の考え方もまた知りたいものです。
〈中学校における勤務時間内の採点の工夫〉
話は少し変わりますが今回は勤務時間内に採点をできるように、金曜日の3時間あった理科の授業を採点に当てさせてもらいました。
生徒には
・教材を見ながらの100点解答づくり
・それを使って自己採点
・分析と練習
をするように求めました。熱があるうちなのと、テストに何を書いたのか友達と確認し合うのは楽しいようで、結構熱心にやってくれていました。
私はというと、空き時間を含めた授業4コマで3クラスの丸付けと4クラスのPCへの入力ができました。「結構ギリギリだった。」という印象もありますが、「今回は最後の方に理科のテストがあってスタートが遅かったことを考慮すると上出来だったかも。」とも思います。
これはいい方法かも知れません。また育児休業明けに試してみようと思います。
#テスト
#評価
#採点
『学び合い』ステップアップ
「なぜ理科は難しいと言われるのか」