「NewsDiet」という本を読みました。
シンク・クリアリーなども出しているロルフ・ドベリさんの本です。情報収集の方法についてはかかる時間と得られるものの観点から常に考えてきたので、興味を持ちました。また、スマホ脳のような本を読んでデジタルデトックスにも興味があるので、それとも近いのかなと思って読みました。
構成は、最初の60〜70くらいになぜ短いニュースが行けなくて、今すぐどうすればいいのかが書いてあり、そこから200ページくらいかけてニュースの悪影響、ニュースを断ったほうがいい根拠をこれでもかと挙げまくっています。
読書が苦手な人でも最初の70ページくらいを読めばとりあえずこの本のメッセージは受け取れるので、挑戦しやすい本かなと思います。
書きぶりはアンデシュ・ハンセンさんのスマホ脳や最強脳と似ていて、とにかくシンプルな一つの結論を伝えるためにたくさんの根拠を紹介しています。なので、たくさん章がありますが、ほぼすべての章のまとめのところに同じようなことが書かれていて、それが面白いです。最強脳と特に似ています。
結論は「とにかくネットニュースなどの短いニュースからは距離を取り、本や長文記事を読もう。」ということです。
たくさん挙げられていた根拠の中からいくつか私もこれは気にしてたんだよなというものを挙げてみます。
・ニュースはあなたに無関係である。
人生における重要なことや決断をくださなければいけないことと、普段見ている膨大なニュースとはほとんど関係がない。中にはひとかけらほどあるかもしれないが、そのひとかけらを逃さないために膨大な質の悪いニュースに時間をさくのはあまりにもったいない。それならば専門分野の中の本や長文記事を読もう。どうしても情報の偏りが心配なら月に一度書店にでかけ、多くの分野の新書に目を通すといい。
・ニュースは能力の輪の外にある
ロルフ・ドベリさんの本には「能力の輪」という表現がよく出てきます。7つの習慣にも影響の輪という内容な考え方があります。物事の中で自分が影響を与えられるものは限られている。自分が影響を与えられないものに対して関心を持っても結局何もできないのだから時間の無駄であり、それなら能力の輪の中にあることに集中して行動を起こしていった方が良いよ。というような考え方です。そして、ニュースの膨大な情報のほとんどは、自分の脳力の輪の外にあるものです。
・ニュースは時間を浪費する
ニュースを見ること自体にかかる時間はもちろん。
ニュースによって逸れた注意力を本来すべきことに戻す時間。
ニュースによって失われた注意力を戻すまでの時間。以上の3点においてニュースは時間を浪費している。
・ニュースは理解を妨げ思い違いを強化する
ニュースは物事の表面をなぞらざるをえない構造をしているので、理解を妨げ、いろいろなバイアス(思い違い)を強化する。確証バイアスや後知恵バイアス、利用可能性バイアスなど。
・ニュースは体に毒である
ニュースには依存性があり、ネガティブで刺激的な情報が多く人間はそれを受け取りやすいので体に副作用を起こす。
・ニュースは脳を変化させる
ニュースを消費すると脳の構造が変化し、短い情報をざっと目を通す能力が鍛えられる分長い文章を読む能力や思考する能力は退化する。
・ニュースは私たちを「受け身にする」
ニュースのような能力の輪の外の情報に触れ続けると学習性無力感を持つようになり、受け身になる。
・ニュースは偽りの同情を覚えさせる
世界で起こっている悲惨な出来事に関心を持ったところで世界は何も変えられない。変えられるのは行動を起こすこと。自己満足に悲しむくらいならお金を寄付しよう。その手の専門家に任せて専門家を助ける行動(寄付)をするのがいい。
・ニュースは馬鹿げた話を奨励する
スタージョンの法則というものがある。出版物の90%は粗悪なものと言うことらしい。エッセンシャル思考に似ている。ビジネスモデルの構造上、無料の新聞やネットニュースでは特に多い。
・ニュースは心の平穏を壊す
心の平穏を手に入れるにはネガティブな情報を避けることが必要。しかし、人はポジティブな情報よりもネガティブな情報に強く反応する。ニュースはそれを利用してネガティブな情報が多い。
私が気になったものを挙げただけでこれだけの量になってしまいました。
本書の中では30個くらい理由が挙げられてるので、最初の70ページほどを読んでもまだ確信が持てない人が気になったところだけ読めばいいのかなと思います。
最後に「ニュースランチのすすめ」という話がありました。
ランチのときに他の専門分野の人と15分ずつたった一つのテーマについて紹介しあって、その後そのテーマについてのみ議論するというようなものです。
いいなと思いました。
学校現場で働いているうちは私にはできないですが、これをヒントにそういうビジネスをレストラン、企業家、報道関係者が地域に密着してやってみたら面白そうだと思いました。
タイトルで「お!」と思った人は、とりあえず最初の70ページだけでも読んでみるのをおすすめします。
私はこれを読んで無料のニュースアプリは消し、情報収集は人とのつながりからか、本か、有料のニュース(教育新聞や日経新聞を検討中)に絞ってみることにします。