丹後先生の生き様公開と仲間づくりのためのブログ

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読書記録「自宅学習の強化書」ーやる気はあるけどやり方が分からない子どもの武器

昨日はずっと気になってた「自宅学習の強化書」を読みました。

こちらも通知表渡しで「わが子は勉強の仕方がわかってないみたいで…」という声に応えたいと思って読みました。著者の葉一さんのチャンネル「とある男が授業をしてみた」はよく生徒にもおすすめしているので、私にとってもこの方の勉強法を知りたい!という思いがありました。

 

内容は

まえがき

1章 自分に合う勉強法の見つけ方

2章 計画の立て方

3章 テスト対策

4章 勉強に関するルーティン

5章 集中力の手に入れ方

6章 モチベーションの持ち方

7章 「とある男が授業をしてみた」の使い方

8章 中学生の保護者に向けて

あとがき

という構成です。

いいなと思ったところを要約していきます。

 

 

「まえがき」ー勉強はなんでするのか、中学生へのメッセージ

勉強は特別な才能がなくてもできる。(実際、遺伝:努力=5:5と本で読んだことがあります。)そして努力した成果が出やすく、数字分かりやすく感じやすい。そのため、成功体験を積んで自信としていくことができやすいもの。

また、今の時代お金をかけなくてもできるし、自ら取り組む主体性も身につく。

大人の中で「もっと勉強しておけばよかった」と後悔している人はいても「勉強なんてしなければよかった」と後悔している大人はそういない。

 

こんなおいしいものに手を出さないてはないんじゃない?!

 

 

「あとがき」

人生では良いこと:悪いこと=51:49で起こる。だから悪いことも起こるけど、みんなの人生は大丈夫。乗り越える力をつけよう。

勉強を通した努力で自分に自信をつけ、人としての器を大きくしていこう。

 

 

「1章-自分に合う勉強法を見つける」

・自宅学習強化は勉強の成果が上がるだけでなく、将来に役立つ主体的に学ぶ力や自分なりの工夫を入れるアレンジ力がつく。

・覚えて終わり!ではなく覚えたことを忘れないようにする考え方をもつ

・知っていると理解している・できるの間には大きな壁がある。知っているで満足してはダメ。

・勉強法は身近な勉強ができる人の真似から入って自分なりにアレンジしていく。(学ぶは真似ぶ)

 

 

「2章-1人で乗り越えるための計画の立て方」

・目的を明確にする

・長中短期の3段階で考えて、振り返る機会を持つ

・「時間」ではなく「量」で決める

・半歩先のギリギリ達成できるくらいの目標を立てて、やり切って自信にする

・計画には怠ける自分や緊急の用事のための余裕を予め入れておく

・事前に家族の予定などを聞いて自分のリズムを作る

・調子が悪い日も心のためにほんの少しだけでもやる

 

 

「3章-学校では教えてくれないテスト対策」

・まずは2〜3教科に絞ってのばす。成功体験を積み自信をつけていく。

・ワークの反復は必須。○△×で問題を仕分ける。

・場合によっては発展問題などは切り捨てる

・理科の場合は実験も大事

・テストを解くときにも復習用に△や×をつける

 

 

「4章-勉強のルーティン化で差をつける」

・予習よりもまずは復習

・教科書の学習と問題演習はセット(知っているで終わらせない)

・ワークの丸つけは解いた後すぐに行い解説も読む

・間違えた問題との出会いを大切にする。そこがあなたの伸びしろ。

・教えるつもりでアウトプットする

 

 

「5章-負けない集中力を手に入れる」

・集中力は長くは持たないので、休憩を挟みながら勉強時間を分割して行う。

・机上を整理して集中を妨げるものを排除

・休憩や眠い時は仮眠

・デジタルデトックス。勉強中スマホなどは遠ざける。

・勉強中の音楽は基本的には×

・筆箱の中身、色も絞る

 

「6章-やる気と自信を力にする」

・簡単なところからやってとにかく成功体験を積み自信をつける

・やる気が出ない日も一歩だけでも動く(心のために。そして動いたらやる気がついてくることも。)

・志望校や目標へのアンテナだけは立て続けておく

 

 

「7章-とある男が授業をしてみた使い倒しワザ」

・動画全部は見ない!動画の始めで止めて空白の状態で解く→動画の最後まで飛び答え合わせ→気になるところに飛んで見る。

・倍速再生の活用

・生配信「一緒に勉強しよう」で時間の共有、仲間とのつながりを感じながら勉強。個人的にこれの効果はかなり大きいと思う。

・ホームページ19チャンネルは見たい分野を探すのに便利

YouTube動画でなら、不登校の子も自宅で学べる

 

 

「8章-今、中学生の保護者の方に知ってほしいこと」

・自主性を育てるために「選択肢を与える」

・本当に大切なことが伝わるようにするために、普段から叱咤:激励=1:9。これは私も気をつけよう。

・頑張る子どもを孤独にしないために、大人の経験値を活かして失敗談を語る。(ただし、勉強以外の)

・自己肯定感を高めるために、誰かとわが子を比べない。

・反抗期の子との距離の取り方は付かず離れず。見守れる位置にはいて、「何かあったら頼ってね」のサインを送る

 

 

読んでみた感想として、

2〜6章の内容は普段からちょくちょく子供たちに話したり、アドバイスを求められたときには同じようなことを伝えているのですが、それでは足りないなと。体系的にまとめてこの本のように伝えてるわけではないですし。

 

本当に子どもにもっと変化をもたらしたければ伴走して体系的に伝えるのも良いんでしょうが、それは子供たち全員にはできない。

であるならば私にできるのは、子どもたちが各々の適切なタイミングで自分で頑張れるように、この本のような自分で取り組んでいけるツールの存在を定期的に伝え、使えるようにしておくという環境整備かなと思いました。

 

中学生をメインターゲットに書かれた本なので、もちろん中学生の子どもたちにおすすめです。全中学生にとりあえず待っててもらって使いたいときに使えるようにしておきたいくらい。各項目が2〜4ページでまとめられてるし、重要なところの強調もされてるので、読書が苦手な子でも読みやすいです。

それから、その子どもを支える保護者や教育者も一読なら価値ありかと思います。

 

私はこの後学級文庫に置くので、我がクラスの興味を持った子が読んでくれると嬉しいです。