丹後先生の生き様公開と仲間づくりのためのブログ

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読書記録「ゲーム依存からわが子を守る本」 依存という二次障害の消失だけを目的とせず、孤立や生きづらさという一次障害にともに向き合う

「ゲーム依存からわが子を守る本」という本を読みました。通知表渡しで子供のメディア時間の長さに悩む保護者が多くいて、私ももっと知りたいと思ったことがきっかけです。

 

結論は「ゲーム依存はあくまで表面化した二次障害であり、保護者や関係機関の大人は本人の孤立や生きづらさという一次障害に共に向き合うことが大切」ということだと私は思いました。

4つのパートに分かれているので、それぞれについて要約してみます。

 

「ゲーム依存の根底にあるもの」ーゲーム依存について理解する

ゲーム依存の根底には学校や家庭での孤立感、生きづらさがある。教師である私が気をつけたいのは教育虐待(「やりすぎ教育」という本の中でもエデュケーショナル・マルトリートメントという言葉で出てきました)や言葉の暴力になっていないかということ。

ネットやゲームへの依存はあくまで表面化した二次障害であり、行動依存にあたる。面白かったのは大人にとっては仕事も行動依存にあたる。確かにワーカーホリックって言葉もありますね。

二次障害は一次障害で生きづらさを感じる子どもが何とか生き延びようとする手段となっているので、取り上げることは親子関係の悪化→孤立にも繋がり逆効果となる。

 

「ゲーム依存を招く心のSOS」ーやってはいけないやりがちなことと基本方針

ハマるゲームの種類によって心の苦痛の仮説が立てられる。アクションゲームにハマっている場合興奮や自信がほしいなど。

心の苦痛の原因となるものは学校や家庭での生きづらさ、発達の凸凹による特性、教育虐待や過干渉などがある。

「孤立」と「懲罰」は依存を悪化させるので、親はゲームを取り上げるのではなく、本人の置かれている環境の改善に努めたり(環境が依存に与える影響は大きいらしい。孤立がなければ依存に向かいにくい。)、精神保健福祉センターのような相談先とつながることが有効。

目的は二次障害の消失ではなく一次障害の緩和におくこと。

 

「子供の孤立を緩和するための楽しみや居場所の取り戻し方」ー基本方針に沿った行動指針

ゲーム以外の依存先を分散させることが必要。リラックスできる家庭、他に楽しい嬉しいと思える趣味、他人から感謝される経験など。そうして子どもがゲームを制限したくなったら時間の目安を提案する。

大人はゲーム依存や不登校や退学=負け組という認識を改め、一緒に他の趣味を探したり、安心できる場所を作ったり(学校、家庭)探したり(アルバイトや同世代のいないマニアックなコミュニティ)するのがいい。

 

「子どもを依存から救うための親にできる接し方レッスン」ー親にできる行動指針の具体策

基本のマインドセット

・相手をコントロールしない

・まず自分が変わる

・正論では人は変わらない→相手を理解するための共感から

・言い換えによるポジティブなコミュニケーション

この辺りはアドラー心理学と共通する考え方が多いので、インストールしておくと便利です。

具体的な行動として

・相手を理解しようとする、共感する

・アイメッセージを送る

・ありがとうを良くいい感謝を伝える

・良かれと思ってするおせっかいを見直す

・自分の心をまず豊かにする

・子供に変化が見られたそれを支援・サポートする(外部の専門家などと連携しながら)

 

 

この本を読んで私が教師として気をつけるべきところという視点と、わが子がそのような状況になったらどのように接するかという親としての視点の両方で学べました。

イラストも多く「子どもが取り組むワークシート」などもあるので、教師、親、子どものそれぞれが読んでみることをお勧めします。

私は読み終わったので、学級文庫にも置いておこうと思います。