今の現任校に今年からきて、「所変われば文化が変わるんだろうけど、これはどうなのかな〜」と思っていることがあります。
それは登校ができていない生徒への対応の仕方です。
私から見たら結構強引に、頻繁に、簡単に生徒の自宅へ迎えに行く先生が多いです。近くて1限が空いてたら朝ホームを他の人に任せて朝から行ったり、空き時間に行ったり。「連れてこんなんやろう」という先生方のスタンスが文化に根付いてるんだろうなと感じます。
学校に来れない生徒を先生が迎えに行くのは一般的な対応なんでしょうか?
前の学校では家庭訪問はしていましたが、それも現任校ほど頻度は多くなかったと思いますし、多少強引にでも先生が迎えに行って連れてくるなんてことはやってる先生いなかったんじゃないかと思います。少なくとも私が所属してきた学年では…
私はこの「先生が生徒を迎えに行く」という対応はあまり良い手じゃないんじゃないかと考えています。理由は以下の4点です。
・学校に登校させるまでは保護者の責任です。教育の第一義的責任は保護者にあるので、それを自覚してもらいながら一緒に歩んで行くものだと思います。それには、相手のすべきことまでこちらが取りすぎてはいけないのではないでしょうか。
・生徒が自分で頑張るべきところに踏み込みすぎている気がします。人生に責任を取れるのは自分しかいないので、それを本人に自覚してもらい、一緒に歩んで行く必要があります。それには…以下同文です。
・アドラー心理学の目的論で考えると、不登校の状態には目的があるはずなので、先生が迎えに行くことは生徒の目的を果たしてしまっていることになり逆効果になることも考えられまっす。
・限られたリソースは全員に対してのことに優先的に注ぐべきだと考えています。多忙な教師の時間には限りがあります。空き時間は中学で日に1〜2コマでしょう。よほど緊急や臨時でない限り空き時間に家庭訪問をして連れてくる余裕はないはずです。緊急や臨時ならまだしも、そうでなければ、教師は学校に登校している目の前の多くの生徒に関する仕事を優先すべきだと思います。授業準備などの方が優先順位は上のはずです。それで手が回らないのならスクールカウンセラーや他の相談室など、協力できる機関と連携すれば良いのです。
もちろん、「少し押せば案外登校できて、学校生活に戻れることもあるから初動で多少強引にでも連れてきた方が良い」と考える人の気持ちもわかるのですが…
私は、
・悩んでいる生徒の話をじっくり聞いてあげる
・自分がその時間を取れないならば、その子が必要としている適切な場所・人に繋げる(この発想はリエゾンを読んでさらに強まりました。)
・自分自身の人生に向き合う機会や時間をあげる
・その人を変えるだけでなく、その人が所属する集団で解決することを考える
ことを意識したいです。