自分と家族と子ども達の幸せを考える先生のブログ

教育の個別最適化、アドラー心理学、部活動の社会体育化、教師の働き方改革、仕事と育児、お金の教育、人生100年・society5.0時代の進路指導を切り口に、自分の幸せと子ども達の幸せを考える

生徒、保護者向け6: 親なら知っておきたい学歴の経済学 ①

「 親なら知っておきたい学歴の経済学」という本があります。

https://www.amazon.co.jp/親なら知っておきたい学歴の経済学-西川純-ebook/dp/B01LYF8WAV/ref=mp_s_a_1_1?dchild=1&keywords=学歴の経済学&qid=1628136582&sr=8-1

 

タイトルの通り、特に保護者へ向けて(もちろん子どもたちや教師にも勧められます)書かれた、「これからの社会の変化を見据えて子どもたちの進路をどのように考えたらいいか」という内容の本です。

本書の中で何度かこのフレーズが出てきますが保護者、子ども、教師のほとんどの人が「中卒より高卒。高卒より大卒。同じ高校、大学だったら偏差値が高い方が就職に強い」という単純なルールで進路を考えていると思います。まさにこのような考え方をしている人に警鐘を鳴らしています。

 

この本はこんな人におすすめです。

・高卒より大卒が有利と思っている人

・大学を出れば「いい仕事」や「安定したほどほどの将来」が約束されると思っている人

奨学金のしくみを知らない人

・進路選びに悩んでいる人、学校の進路指導に任せれば大丈夫と思っている人

 

 

本書の構成

1章 「うちの子はとにかく大学へ」は危ない!

2章 いま「安全な進学先」はあるのか?

3章 トップ大学はこう変わる!

4章 わが子を生き残れるようにするには

5章 わが子を守るための戦略

 

1.2章が本書の中で特に知って欲しいところなので詳し目に書きます。

3章は限られた少数の子どもたちに関わることなので今回は割愛します。

 

1章 「うちの子はとにかく大学へ」は危ない!

今、大学への合格は昔に比べて簡単になっています。

生涯賃金の学歴による差は高卒と大卒で7000万円の差があるので、大学進学は割りの良い投資のように思えます。

 

しかし、ここで落とし穴があります。

大学への合格はしやすかなりましたが、大学に入ったからといって就職が保証されるかというとそうではなくなってきています。

実は生涯賃金は大卒か高卒かよりも、大きな企業に就職したかどうか、もっと言うと正規雇用されるかの方が影響します。大卒で小さな企業に入るよりも高卒で大きな企業に入った方がいいし、大卒で非正規雇用になるよりも高卒で正規雇用の方が生涯賃金は高くなります。

「学歴よりも就職」が大事になってくるのです。

 

そして、恐ろしいことに、今大卒の初職に就いた人の約4割は非正規雇用になっています。

時間とお金をかけて投資したのに約4割の人が高卒の正規雇用者(進学を主な進路とせず、卒業後就職が多い高校では指定校求人があるので、高卒の就職者はほぼ正規雇用になります。)よりも生涯賃金が低くなってしまうようでは割の良い選択・投資とは言えません。

 

さらに、ここに奨学金の話も関係してきます。

奨学金を借りずに大学に通わせてあげられるご家庭はいいのですが、奨学金を借りて進学させる場合、現在の奨学金の実態は親世代のそれとは異なっていて、なかなか厳しいものになっています。

現在の奨学金

「借りた額より多く返さないといけない」

「貸与型しかないから必ず返さないといけない」

「電話での督促がある」

「3ヶ月以上の延滞はブラックリストにのり、クレジットカードが作れなくなったりローンが組めなくなったりする」

というような実態があるにもかかわらず、それを知らない人(保護者・教師)が多いです。

奨学金を借りた場合ケースにもよりますが、よくあるケースで返済総額500万円越えとなり、月24000円の返済が必要になってきます。

 

そこまで無茶な金額ではないと思うかもしれません。しかし、大卒の約4割は非正規雇用として就職するのです。非正規雇用の平均年収は約170万円です。年収170万円の人にとって、月24000円は大金です。

 

こうして少なくない大学卒業の若者が想像以上に厳しい進路を進んでいくことになるのですが、多くの保護者・教師がそれを知らないため、身近な大人の勧めで借金を背負うことになるのです。

 

このような実態を知ると、「中卒より高卒。高卒より大卒。同じ高校、大学だったら偏差値が高い方が就職に強い」という単純なモデルはもはや崩壊してきており、半端な大学はいくよりも職業高校を卒業して就職した方が安定した生活ができるケースが少なくない割合で出てきています。

もちろん大卒の人全員に当てはまるわけではないですが、少なくない人にこのようなケースが当てはまることは、進路を考えるときに知っておくべきだと思います。

 

1章の結論として、進路を考えるときに「安定した収入を得られる職に就職できる大学に進学する」か「そうではない大学には借金してまで入学はしない」という選択肢が考えられます。

 

 

では、「安定した収入を得られる職に就職できる大学に進学する」とはどこなのでしょうか?2章でこれが詳しく書かれているのですが、

多くの人が信じている常識とは変わってきています。

 

短くまとめると

大学の中でもトップクラスのエリート大学生は大丈夫です。

それ以外の大学のうちジョブ型大学はOKですが、非ジョブ型大学は勧められません。

ジョブ型大学とは医学部、薬学部、教育学部のように卒業してから就く職業と大学教育が一対一で対応している大学教育です。一方非ジョブ型とは文学部、社会学部、経済学部のように一対一で対応していない大学のことでいわゆる「つぶしの利く」学部のことです。

これからは「それ以外」の「非ジョブ型」の大学に進むことがリスクの大きい選択となります。

詳しくは2章の紹介で発信します。

 

少々長くなってきたので、続きは明日の発信にしようと思います。興味のある方に届けば幸いです。できれば、生徒達やその保護者の方々に届くと嬉しいです。

ではまた。