本日は学校祭がありました。
今年は体育館に全校生徒を入れられないということで、2学年ずつ入る形になり、体育館で見る形と教室で大型モニターを見る形で行いました。日数も去年まで2日かけてやったり、中学校にしては珍しく模擬店をしたりしていましたが、今年は模擬店はなくなり日数も1日でした。
私は特別活動部なので生徒会執行部を見てました。制約が多かったり、消極的になっている周りの空気を感じながらも、彼らは本当によくがんばり多くの生徒が楽しめる学校祭にしてくれました。
今年の形の学校祭については色々意見を持っている先生方はおられるでしょうが、私は規模的には今年くらいがちょうど良いのではないかと思いました。
https://nbnl-takashi.hatenablog.com/entry/2020/10/30/125914
こちらのブログも拝見しましたが、なくすまではいかないまでも、現場の人間ながら現在のオーバー気味な文化祭には懐疑的な考えです。
1つは明らかに授業時間や勤務時間を越えて準備をすることになってしまっているのが良くないです。
2つに、内容についても、準備は総合の時間を使っているので、基本的には総合の時間に各学年が学んだことの披露の場、文化部の作品の発表の場、文化的な取組(合唱がこれに入るのかな?)の披露の場であるべきなのかなと思っています。
我が校の学校祭はこれまでどちらかというとそちらに重きを置くより笑いを生んだり楽しんだりすることに重きを置いて、学習内容などはあまり関係していないということも多かったです。名前が文化祭ではなく学校祭と呼んでいるあたりにもその傾向が表れているのかなと感じます。
今年の学校祭も、良かったのですが、ちょっと距離を取ってみて冷静に考えてみると課題に感じたことが3点あります。
・他人が作ったものが勝るような体験しかさせられていない
・その経験は授業ではできないのか
・部活動は不可欠だからこそ、持続可能なものにしなければならない
というものです。
1つ目の「他人が作ったものが勝るような体験しかさせられていない」ということについてです。
生徒の感想で一番印象に残ったものはなんですかというところに多かったのは「3年生の企画が笑えて面白かった」というものです。確かに笑いを誘うような感じでしたが、学習内容との関連の薄さから私が疑問に思っていた部分でした。これが1番面白かったと言う事は、「自分が学んだことを披露するために準備してきた活動やその発表が、その日見た笑いを誘う発表に負けた」と言うことです。私は内容が笑いを誘うようなものでなかったとしても本気で準備に取り組めば楽しい経験になると思ってます。実際準備を頑張っていると感じていた生徒の感想には、「自分たちが作ったものを見られたことと作った経験が楽しかった」と書いてありました。多くの生徒にこれを言わせてあげられない教育活動しかできなかったことを悔しく感じました。
2つ目の「その経験は授業ではできないのか」ということについてです。これは文字通りですが、「他の人と協力して何かを達成する」という経験は生徒たちが1番長い時間を過ごす日々の授業の中でこそさせていくべきだと思っています。これもできていないことが悔しいですし、できていればもっと堂々と「文化祭なんてやりたい人がやればいいんじゃない」と言えるようになるんだと思います。
3つ目の「部活動は不可欠だからこそ、持続可能なものにしなければならない」ということについてです。弁論の発表者の主張として「部活動で得られる経験はかけがえのないものだからこそ部活動は不可欠なものだ」というのがありました。一方で教師の休暇を奪っていることにも触れており、感謝して考えて活動しなければならないということも主張していて、「教師の立場でもないのにすごいなー」と思って聞いていました。2つ目の話と同じですが、部活動でしか得られないかけがえのない経験と言うものも、授業でさせてあげられないものかと思いました。また、部活動は不可欠だと思うからこそ、持続可能な仕組みにしていかなければいけないなぁと言う風に改めて思いながら聞いていました。
いっぱい考えさせてもらえる素敵な学校祭でした。
特に執行部の生徒たちは過去トップレベルで自分たちの力で学校祭を作り上げていたと思います。見ていて気持ちのいい子たちでしたし、きっと誰よりも学校祭を楽しんでいたんじゃないかと思います。
今日はゆっくり休んでほしいです。ありがとう。